
理学療法士が歩行器を自作 ― 現場の声から生まれた創意工夫
SAILING LIFE訪問看護リハビリステーションの理学療法士は本当に優秀で頭が上がりません。
当ステーションのA PTは、利用者のニーズに応えるため、自らパイプを使って歩行器を自作しました。既製品では対応しきれないケースや、限られた予算の中で最善のリハビリ環境を整えるため、Aさんは試行錯誤の末、オリジナルの歩行補助具を完成させました。
発端は、小児のお子様の歩行器や起立練習ができるものがない!既存の歩行器ではうまく歩行訓練ができなかったことだった。
既製の歩行器は重すぎたり、サイズが合わなかったり、利用者の身体機能に適さない場合も少なくないのです。特注で対応するにはコストも時間もかかり、予算にも限界が出ます。
そこで
「ないなら作ってみようと思ったんです」とAさんは語る。
使ったのは、ホームセンターで購入したスチール製パイプ、ジョイントパーツ、滑り止めのゴム、そして簡易工具。設計はシンプルながら、患者の体格や歩行特性に合わせて高さや幅を調整できるよう工夫が凝らされている。軽量で扱いやすく、必要に応じてパーツを付け替えることも可能だ。
空き時間に一生懸命作っており、「軽くて動かしやすい」「握りやすい」「安心して前に進める」など、リハビリの意欲向上にもつなげることができる。
安全性にも細心の注意を払った。素材の耐久性テストや安定性の確認はもちろん、転倒リスクを抑えるための構造調整にも時間をかけた。さらに、他の理学療法士や作業療法士とも意見を交換し、改良を重ねた。
「理学療法は、患者さんの“できる”を増やす仕事。だからこそ、道具も柔軟に対応できるものが必要だと思います」
この取り組みはやがて当ステーション内で共有されることを願うのと、他のセラピストたちも自作器具の開発に興味を持ち始めている。小さなアイデアが、現場のケアをより良くする原動力となっています。
医療や福祉の現場では、技術だけでなく、こうした創意工夫が求められている。Aさんのように現場の課題に正面から向き合い、自らの手で解決策を生み出す姿勢は、これからのリハビリテーションの在り方に一石を投じるものだと感じました。