訪問リハビリと理学療法士 ~住み慣れた家で、あなたらしい生活を支えます~
「病院でのリハビリは終わったけれど、家での生活が不安…」
「足腰が弱くなってきて、外に出るのがつらい…」
そう感じる方に、心強い味方となるのが「訪問リハビリ」です。
訪問リハビリとは、理学療法士などのリハビリ専門職がご自宅を訪問し、住み慣れた環境の中でリハビリを行うサービスです。病気やけが、加齢などによって外出が難しくなった方でも、自宅で無理なく身体機能の改善や生活のサポートを受けられるようになります。
訪問リハビリを担当する理学療法士は、国家資格を持った「動きの専門家」。ご本人の身体の状態や生活環境、ご希望を丁寧に聞き取り、最適なリハビリプランを提案します。
たとえば――
● ベッドからの起き上がりや立ち上がり、トイレや入浴の練習
● 家の中を安全に歩くための訓練
● 転倒を防ぐための筋力・バランス訓練
● 杖や歩行器などの福祉用具のアドバイス
● ご家族への介助の仕方の説明や相談 など
理学療法士は、ただ運動を指導するだけではありません。大切なのは「その人らしい生活を取り戻すこと」です。「また台所に立ちたい」「1人でトイレに行きたい」「家族と散歩に行きたい」そんな目標を一緒に見つけて、実現を目指します。
病院とは違い、訪問リハビリでは、実際の生活の場を見ながらリハビリを行うため、より現実的で効果的な支援が可能です。段差や家具の配置など、ご自宅ならではの課題にも対応し、必要に応じて住宅改修のアドバイスも行います。
「家にいると運動する機会が少なくて…」という方も多いですが、動かさないでいると筋力や関節の柔軟性がどんどん低下してしまいます。理学療法士が訪問することで、「安全に、無理なく、でもしっかり体を動かす」習慣がつき、日常生活の自立につながります。
年齢を重ねても、病気やけがをしても、「自分らしく暮らす」ことは決してあきらめる必要はありません。訪問リハビリは、あなたの暮らしをそっと支え、元気な毎日へ導いてくれる大切な一歩です。お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
訪問看護における小児理学療法 ~子どもの成長を家庭で支えるリハビリ~
病気や障がいのある子どもたちは、成長や発達の過程でさまざまな支援が必要になることがあります。特に、姿勢を保つことが難しかったり、思うように体を動かせなかったりするお子さんにとって、「動きの力」を育てることは、日常生活を豊かにする大切な要素です。そうした子どもたちの発達を、住み慣れた家庭の中でサポートするのが、訪問看護における小児理学療法です。
小児理学療法とは、脳性まひ、筋ジストロフィー、ダウン症、染色体異常、早産による発達遅滞など、さまざまな疾患や障がいをもつ子どもを対象に、発達段階に応じた運動の支援を行うリハビリのことです。理学療法士(PT)が訪問看護の一環としてご家庭を訪れ、子ども一人ひとりの状態や発達の段階に合わせてリハビリを提供します。
家庭でのリハビリには多くの利点があります。病院や施設と違い、実際に子どもが生活している環境で行えるため、「家で座れるようになりたい」「自分でトイレに行きたい」「兄弟と一緒に遊びたい」といった具体的な目標に向けた支援が可能になります。また、通院の負担が軽減され、体調が不安定なお子さんでも無理なくリハビリを受けることができます。
理学療法士は、以下のような支援を行います:
● 寝返り、座位、はいはい、立つ、歩くなどの基本動作の練習
● 姿勢保持の練習や関節の動きの改善
● 呼吸機能のサポート(排痰の援助など)
● 筋力やバランス能力の向上訓練
● 装具や車いすの選定・調整のアドバイス
● 保護者への介助方法や遊び方の指導
リハビリの内容は、ただ運動するのではなく、遊びを取り入れながら、楽しく体を動かすことを大切にしています。お子さんが笑顔で取り組めるように、理学療法士は工夫を凝らしながら関わっていきます。
また、小児理学療法では、家族への支援も大切にしています。保護者の方が安心して子育てできるよう、抱っこの仕方、遊びの工夫、発達の見通しについても丁寧に説明します。理学療法士は、単なる「運動の先生」ではなく、子どもの生活と成長を一緒に見守るパートナーです。
子どもの成長は一人ひとり違います。「ゆっくりだけど確かに育っている」その歩みを、訪問看護の理学療法はそばで支えます。もし「このままで大丈夫かな」と少しでも不安があれば、早めに相談することが大切です。家庭の中で安心して、楽しく、そしてその子らしく生きる力を育てていけるように、私たちは全力でサポートします。